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【コラム】学びを促す教え方:第4回Reflection ランニングアカデミー
Bring Upランニングパフォーマンスアカデミーコーチの古川です。
コラム【学びを促す教え方】シリーズ第4回は、「Reflection:成長を促す振り返り」についてです。
勉強やスポーツ、仕事など熱心に取り組んだ行動の成果は高くありたいものですよね。
最も身近なのが「振返る」時間を作ることです。
振り返りとは?
振り返りとは、行動した内容をありのままに思い起こすことです。そこから目的に対して結果がどうだったかを考えることを意味します。
振り返りと混同しやすい言葉に「反省」がありますが、反省の主な目的は結果の原因となった「間違い・ミス」を正すことで、焦点が悪かったことに当てられます。
一方で振り返りでは、良かったことも悪かったこともすべて引っくるめて、ありのままに自分の行動を見つめ直します。
例えば、テストで100点を取りたかったのに、結果は80点だった。
「勉強した範囲や方法は最適なものだったのか?」
「うまくできていた点はどこか?」
「改善した方が良かった点はどこか?」
「もっと良い方法はなかったのか?」
自問自答を繰り返し、今後一層の成果をもたらすために、さらに伸ばしていく部分と
より良い行動案を探り出すのが振り返りの特徴です。
GROWモデルを使って効果的に振り返りをしよう!
ここでは効果的に振り返りを行っていく枠組みとして「GROWモデル」を紹介します。
GROWモデルとは、自身の経験について以下の手順で振り返る方法です。
G:Goal 何を目指していたか
R:Reality 実際の結果はどうであったか、うまくいった点、改善が必要な点はあったか
O:Options より良い行動案はあるか
W:Will 次回はどう取り組むか
先に挙げたテスト結果の例について、GROWモデルを使って振り返ってみましょう。
G:Goal
何を目指していたか?
「テストで100点を取りたかった。」
R:Reality
実際の結果はどうであったか?
「結果は80点だった。」
うまくいった点は?
「勉強していた範囲に関連していた問題は全て正解だった。勉強方法は良かったと思う。」
改善が必要な点は?
「テスト勉強を始めるのが、ちょうどテストの1週間前で…テスト範囲全てを勉強する時間がなかったから、山を張っていた。」
O:Options
より良い行動案はあるか?
「勉強する範囲には山を張らず、テスト範囲全てを押さえられるよう、余裕を持ってテスト勉強に取り組む。」
W:Will
次回はどう取り組むか?
「勉強方法については今回のままでいくが、テスト勉強を2週間前から始め、全てのテスト範囲を押さえていく」
GROWモデルに沿って振り返りを行うことで、自身の経験や行動を客観的な視点から整理するだけでなく、より良い行動案についても考えることができます。
Bring Upランニングパフォーマンスアカデミーでは、練習の合間や終わりにGROWモデルに基づいた振り返りを受講生と一緒に実施しています。その時、客観的な視点で自分の動作を評価できるように実際の走りの動画を見ながら行うことも多いです。
例えば、速く走るためのポイントを練習している時なら、
Goal:(ポイントの動きをするため)何を意識して走ってみた?
Reality :(動画を見せながら)実際の動きはどうだった?
Options:上手くできていたことは?もっといい走りになりそうなポイントはあるかな?
Will:次はどんな意識でやってみようか?
簡易的ではありますが、繰り返し行うことで振り返りの癖づけをしていきます。
GROWモデルは自分自身の経験を振り返る方法として、または、子育て、スポーツ指導、部下の指導などなど、他者の成長支援のツールとして日常の様々な場面で活用することができます。
「効率よく能力を伸ばし成果を挙げたい」「効果的に誰かの成長支援をしたい」
そんな課題をお持ちの方は是非活用してみてはいかがでしょうか?
【コラム】学びを促す教え方シリーズ
次回は、「New Learning(新たな学び)」です。
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コラム【学びを促す教え方】シリーズは、
「LEARNS」という考え方を基に紹介させていただいています。
LEARNSとは、次の6つのキーワードの頭文字をとって「LEARNS」です。
・Learner-Centred(学習者主体)
・Environment(環境)
・Actively Involved(主体的参加)
・Reflection(振り返り)
・New Learning(新たな学び)
・Stretch(ストレッチする)
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